2016年 04月 11日
ムヒカ元大統領からの伝言
|
来日中のウルグアイ前大統領ホセ・ムヒカ氏が七日、東京外国語大で「日本人は本当に幸せですか?」をテーマに講演しました。
その時の講演の詳細を掲載したいと思います。
以下はムヒカ元大統領の言葉です。
今回、日本の文化や日本人の特性に触れ、強い感銘を受けた。東洋のドイツ人のようだ。秩序立てて物事を行う、驚くべき文化だと思う。日本という重要な国を知る機会を得たことを感謝している。
世界を担っていく若い人たちに向けて話をしたい。
私たち人間にとって最も重要なことは何か、生きていることだ。
いろいろなことができるという意味で「生」は奇跡に等しい、しかし、気の向くままに生きるのと、人生を方向づけながら生きるのとは全く違う。
自然は私たちに特権を与えた「社会に関与し、何かをつくるという特権」を。
それが文明を築いてきた これから来る世界を、今ある世界よりもより良いものにしよう、という意志を持とうではないか。
この社会と向き合う上で、哲学、政治、倫理という価値体系が存在する。
ところが、この社会を形づくる市場経済というものからは倫理、特に哲学が分離してしまった。
市場によって、私たちは組織だった社会に生きるようになったが、それは「人々に浪費を強いるシステムでもあり、何かを買うために生きる浪費し消費することが不可欠な社会」になってしまった。
だが、お金で物を買っていると思うだろうが「実は自分の人生の一定の時間と引き換えているのだ」家族や子どもと過ごす時間を削って消費する。
新しい物を、いい物を買うために、人生で一番大切なのは愛であるのに、愛情を注ぐ時間を浪費している。
消費そのものを否定はしない、ただ、過剰はいけない。
人生の原動力となる愛情を注ぐ時間を確保するために、節度が必要だ。
人類の文明は、市場を伴って発達し、技術を手にして歴史を変えてきた。
しかし、進歩の半面、負担をもたらし、今も加速度的に発達しているが、問題はそれを統治するすべがないことだ。
リミッター(制限装置)をつけなければならない、幸せになることが人類の大義だとしたら、人類はまだ進歩の恩恵にあずかっていない。
例えば近年、地球環境破壊を制限しようと京都議定書が結ばれたが、できなかったし、海の汚染も止める手だてがない。
今、世界では一分間に二百万ドルの軍事費が使われているというが、誰もそれを止められない。
そして極めて少数の者に 世界の富が集中し、生産性が高まったけれども、分配の仕方が悪いので、社会的な弱者に恩恵が及ばないのだ。
私は世間から「貧しい」と言われているが、私は決して貧しくない。質素を好むだけだ。
浪費を見直し、それぞれが人生を見直すことが重要になってくる「市場に操られて生きているうちに、あなた方の自由な時間が失われてしまう」私の考えに同意しろとは言わない、自分にとって何が大切かを考えてほしいだけだ。
人間にはエゴイズムというものがあるが、これは自分を守るためで、自然が与えてくれたもの。
他方で、人間は世代間の連帯や協調で文明、文化、知識を築いてきた。
教育によって、エゴにブレーキをかけられることも知っているし、連帯や協調は、社会を変える力になることを学んだ。
しかし、人間は神ではないので 社会は問題を抱え、それを政治で調整しようとする。
この世界に紛争は必ずある。
だからこそ、社会全体に心を砕くことが大切になる「政治に関心がない」「政治は重要じゃない」と言う人がいるが、政治を放棄することは少数者による支配を許すことにつながる。
人間に上下はない、男も女も同じ権利を持ち、公爵も伯爵もないのだ。
民主主義には限界がある。
それでも社会をよくするために闘わなければならない、皆さんのように 素晴らしい大学で学んでいる者は、社会をよくするために闘わなければならない。
最も重要なことは勝利することではなく、歩き続けること、何かを始める勇気を持つことだ。
私たちはグローバル化した世界で生きている。
その特徴は、金融資本が爆発的に大きくなっているということだ、国境がなくなり、人々が忙しく働き、生活を大きく変え、お金が重要で、そのための人生になっている。
お金のために自分の人生をぶちこわしていいのか? そうした世界と若い人は闘わなければならない。
私は多くの本を読み、世界を変えようと思ったが、変えられなかった。
十年間以上(政治犯として)刑務所に入り、つらかったが、いろいろなことを学び、大統領にもなった。
後進のために道を耕すのが私の仕事、闘いは永遠に続くからだ。
日本では若者が希望を持てないと聞いた、若い世代の投票率が30%程度だと聞いた、政治や社会を信じていないのだろう。
それでも 信じられるようにしてほしい、不満を持つのはいいことだ、どうか同じ気持ちの人と何かを始めてほしい、生きるには希望が必要で、そうでなければ人生なんて意味がないから。
貧乏とは、多くの物を必要とすることです。
その時の講演の詳細を掲載したいと思います。
以下はムヒカ元大統領の言葉です。
今回、日本の文化や日本人の特性に触れ、強い感銘を受けた。東洋のドイツ人のようだ。秩序立てて物事を行う、驚くべき文化だと思う。日本という重要な国を知る機会を得たことを感謝している。
世界を担っていく若い人たちに向けて話をしたい。
私たち人間にとって最も重要なことは何か、生きていることだ。
いろいろなことができるという意味で「生」は奇跡に等しい、しかし、気の向くままに生きるのと、人生を方向づけながら生きるのとは全く違う。
自然は私たちに特権を与えた「社会に関与し、何かをつくるという特権」を。
それが文明を築いてきた これから来る世界を、今ある世界よりもより良いものにしよう、という意志を持とうではないか。
この社会と向き合う上で、哲学、政治、倫理という価値体系が存在する。
ところが、この社会を形づくる市場経済というものからは倫理、特に哲学が分離してしまった。
市場によって、私たちは組織だった社会に生きるようになったが、それは「人々に浪費を強いるシステムでもあり、何かを買うために生きる浪費し消費することが不可欠な社会」になってしまった。
だが、お金で物を買っていると思うだろうが「実は自分の人生の一定の時間と引き換えているのだ」家族や子どもと過ごす時間を削って消費する。
新しい物を、いい物を買うために、人生で一番大切なのは愛であるのに、愛情を注ぐ時間を浪費している。
消費そのものを否定はしない、ただ、過剰はいけない。
人生の原動力となる愛情を注ぐ時間を確保するために、節度が必要だ。
人類の文明は、市場を伴って発達し、技術を手にして歴史を変えてきた。
しかし、進歩の半面、負担をもたらし、今も加速度的に発達しているが、問題はそれを統治するすべがないことだ。
リミッター(制限装置)をつけなければならない、幸せになることが人類の大義だとしたら、人類はまだ進歩の恩恵にあずかっていない。
例えば近年、地球環境破壊を制限しようと京都議定書が結ばれたが、できなかったし、海の汚染も止める手だてがない。
今、世界では一分間に二百万ドルの軍事費が使われているというが、誰もそれを止められない。
そして極めて少数の者に 世界の富が集中し、生産性が高まったけれども、分配の仕方が悪いので、社会的な弱者に恩恵が及ばないのだ。
私は世間から「貧しい」と言われているが、私は決して貧しくない。質素を好むだけだ。
浪費を見直し、それぞれが人生を見直すことが重要になってくる「市場に操られて生きているうちに、あなた方の自由な時間が失われてしまう」私の考えに同意しろとは言わない、自分にとって何が大切かを考えてほしいだけだ。
人間にはエゴイズムというものがあるが、これは自分を守るためで、自然が与えてくれたもの。
他方で、人間は世代間の連帯や協調で文明、文化、知識を築いてきた。
教育によって、エゴにブレーキをかけられることも知っているし、連帯や協調は、社会を変える力になることを学んだ。
しかし、人間は神ではないので 社会は問題を抱え、それを政治で調整しようとする。
この世界に紛争は必ずある。
だからこそ、社会全体に心を砕くことが大切になる「政治に関心がない」「政治は重要じゃない」と言う人がいるが、政治を放棄することは少数者による支配を許すことにつながる。
人間に上下はない、男も女も同じ権利を持ち、公爵も伯爵もないのだ。
民主主義には限界がある。
それでも社会をよくするために闘わなければならない、皆さんのように 素晴らしい大学で学んでいる者は、社会をよくするために闘わなければならない。
最も重要なことは勝利することではなく、歩き続けること、何かを始める勇気を持つことだ。
私たちはグローバル化した世界で生きている。
その特徴は、金融資本が爆発的に大きくなっているということだ、国境がなくなり、人々が忙しく働き、生活を大きく変え、お金が重要で、そのための人生になっている。
お金のために自分の人生をぶちこわしていいのか? そうした世界と若い人は闘わなければならない。
私は多くの本を読み、世界を変えようと思ったが、変えられなかった。
十年間以上(政治犯として)刑務所に入り、つらかったが、いろいろなことを学び、大統領にもなった。
後進のために道を耕すのが私の仕事、闘いは永遠に続くからだ。
日本では若者が希望を持てないと聞いた、若い世代の投票率が30%程度だと聞いた、政治や社会を信じていないのだろう。
それでも 信じられるようにしてほしい、不満を持つのはいいことだ、どうか同じ気持ちの人と何かを始めてほしい、生きるには希望が必要で、そうでなければ人生なんて意味がないから。
貧乏とは、多くの物を必要とすることです。
by yume-holon
| 2016-04-11 20:55